3Dプリンタ UP PLUS2 afinia 改造 メンテ レビュー

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UP PLUS2 afinia での印刷

UP PLUS2とafiniaの印刷品質










上の画像はafinia H479とUP PLUS2で印刷したものです。
ここでは印刷品質を上げるための改造方法と使用ソフトの説明をします。
UP PLUS2,afinia共通です。

1.エクストルーダーファンの交換
2.Y軸補強パーツの取り付け バージョン2     
3.YZ軸のリニアガイド連結パーツのガタツキ修正 
4.ベッド調整ネジとバネの交換         
5.X/Y/Z軸それぞれのベルトの交換
6.各部ネジの緩みチェック           
7.CPUの交換とソフトの設定          
8.ステッピングモーターの交換         NEW
その他改造
・正確なノズル穴径              
・フィラメントリールホルダー          
メンテナンスについて
使ってみての感想、故障など   NEW

1.エクストルーダーファンの交換

・この機種はオーバーハングの造形が崩れやすいです。
ノズルの設定温度が260度と高く、加えてクーリングファンが弱いのが原因です。
クーリングファンを交換することで劇的に印刷が綺麗になります。お勧めです。
このダクトをダウンロードして印刷
・ダクトを取り付けてこのファンに交換 大きさ75mmx30mmで12V
・室温が低すぎると、ごくたまにですがホットエンドのエラーが出て印刷が始まらない時があります。
 印刷が始まるまではファンを閉じておいた方がいいです。



小さな物だと、ヒーターブロックの熱が常に印刷物を温めてしまうので形がだれてしまいますが
ファンを強力にすることで細部まで印刷できます。




2.Y軸補強パーツの取り付け 

UPPLUS,AFINIAはベッドを前後させるためのY軸がまるごとz軸に乗っています。
ベッドが前後するたびにY軸全体が揺れてしまうので、Y軸の印刷が乱れます。
この揺れを抑える補強パーツを取り付けることで印刷品質があがります。
このプレートを印刷してマグネットを付けて、プリンタの後側に付けます。
マグネットと補強パーツの接着はしません、磁力で挟んでいるだけです。
マグネットの穴が上下にありますが、つけるのは上側だけでOKです。
印刷で反ってしまうと使えないのでフィラメントはPETG、230度で印刷しました。
プリンタ本体の改造はありません、ネジ一本で簡単に取り付けできます。
本体取り付け後に重りを入れます、なるべく重くしてください。





3.YZ軸のリニアガイド連結パーツのガタツキ修正

・Y,Z軸のリニアガイドに取り付けるパーツの塗装表面がデコボコなので、この塗装を紙やすりで
平らに削ります。この塗装のデコボコがリニアガイドのガタつきの原因となり、
印刷表面に細かい印刷ズレが出てしまいます。
プリンタによって差があるようで、塗装が平滑になっている場合はこの作業は不要です。



4.ベッド調整ネジ・バネの交換

・ベッドの水平を調整するネジを皿ネジに変更します。皿ネジでないと意味がありません
・ベッド下のバネを強力バネに交換します、3つ交換してください。


5.X/Y/Z軸それぞれのベルトの交換 

afinia,UPPLUSともにxyzの駆動は輪になったタイミングベルトを使っています。
ベルトにスプリングがつけてありピンと張っているように見えますが、動作方向の反転時に
このスプリングが伸び縮みし高い精度を求める印刷に対しては悪影響が出るので、
スプリングなしでぴったりの長さのベルトに交換します。
・ガイドローラーを本体から外してベルトとスプリングを外します。他社製ベルトを長さ427mmに切り
リニアガイドにねじ止めされている印刷パーツに切ったベルトを瞬間接着剤で借り止めして
リニアガイドに取り付けます。ガイドローラーは一旦外して注油し、ベルトを通して本体に固定します。
この作業でモーターの動きが正確に伝わるようになります。
※この改造はxyzのすべてをやらなければ意味がありません
※ベルトの長さはxyzすべて427mmです。



ベルト取り付け後にベルト全体にシリコンスプレーをかけます。ベルトをきつくしたためプーリーと
ベルトの摩擦が大きくなっているのではないかと思い、摩擦低減のためシリコンスプレーを使いました。
本来なら、ベルトの張りを調整できる機具を取り付けるのが一番いいのですが、設置スペースがなく
大がかりな改造になってしまうのでこのようなお手軽な方法で対処しました。

6.各部ネジの緩みチェック

各部のネジが緩んでいる場合あがあります、本体とレール、リニアガイドと連結バーツなど、
しっかりと締めこんでください。特にホットエンドに小さなネジが2つ付いていますが、
このネジはしっかり締めて固定してください。



7.CPUの交換とソフト設定

UP!,afiniaは専用のスライサーしか使えません、CPUを交換し他社製スライサーを使うことで
印刷品質は格段によくなります。1万円ぐらいかかってしまうのですが、模型用途などで
とにかくきれいな印刷がほしいという方にはお勧めです。
また、データをSDカードでやり取りするのでパソコンからプリンタにデータを転送する時間を
待たなくて済みます。
※公式にはUP studioで他社製スライサーが使えるということになっていますが、
 私の環境ではまともに動かなかったのでCPUを交換しました。
取り付け・設定方法・FIXUPはこちら

8.ステッピングモーターの交換

上記の改造をしても精度が上がらない方はモーターが劣化している可能性があります。
UP3D専用ストアの新品のモーターに交換しましょう。xyzすべて交換してください。
下の画像は使用6年目のモーターと新品モーターでの印刷差です、画像ではそれほど
変わっていないように見えますが、実物は一目瞭然の差があります。
14000円ぐらい費用がかかりますが、模型用途などでとにかくきれいな印刷がほしいという方には
お勧めです。通常の使い方をしている方にはあまり意味がないので換えなくてOkです。
AliExpressでも安いモーターが売っていますが、精度が悪いのでやめといたほうがいいです



その他改造

・正確なノズル穴径
ノズルの穴は正確に寸法どうりではありません、穴の大きさや形がどれも微妙に違っており、
印刷が安定しませんでした。
私は安物0.2mmノズルに0.3mmドリルで穴を開けなおし、0.3mmノズルとして使用しています。
タミヤの0.3mmドリルとピンバイスで簡単に穴をあけなおすことができます。

・フィラメントリールホルダー
なるべくX軸に負荷がかからないようにフィラメントリールは真上から吊り下げています。
またリールの軸部分はベアリングでするする回ります。
プリンターは保温と火事防止のため扉つきのスチール棚に入れて使っています。



・エクストルーダーの金属フィラメントガイド

フィラメントがスリップする場合はこれに変えてください、非常に良いです。
現状のパーツで問題がなければ交換不要です。

・エクストルーダーは2個あると便利です。
 私は0.3ノズルのエクストルーダーと0.4ノズルのエクストルーダーを個別に用意して
 ノズルの交換ではなくエクストルーダーごと交換しています。
 ノズルやヒーターブロックが長持ちしますし、頻繁に交換する方にはとても便利です。

パーツ購入等リンク

ノズルヒートブロックやエクストルーダーいろいろ AliExpress
国内3Dプリンタ専門店 パーツも売っています 参次元工房さん
カスタムCPU  売り切れても在庫復活します   TINYFAB.XYZ
純正修理パーツ afiniaでも使えます        UP3D専用ストア



メンテナンスについて

afinia,UPPLUSは非常によくできた機械ですがメンテナンスは必要です。ここでは印刷精度を保つためのポイントを説明します。中古で買われた方はまずメンテナンスをしましょう。afinia,UPPLUS共通です。
・ヒートベッドのレベル調整
基本的なことですがヒートベッドの水平調整はとても重要です、時間をかけて丁寧にやりましょう。一度調整すればノズルを交換したとき以外は調整しなくてもOKです。
・XY軸タイミングベルトとヒートベッドの連結部品
ヒートベッドを外してカバーを外すとレールとベルトが出てきます。このレールとベルト連結している部品が割れやすいです。この部品が壊れてしまう前に印刷して交換しましょう。パーツデータは「Program Files(x86)>UP>Example>UP Plus Spare Parts」のフォルダ内にパーツデータがあります。



・Z軸ベアリング固定部品
門型の外装を外すと門右側にベアリングを2つ付けた部品が出てきます。この部品を固定しているネジが緩みやすいです。ドライバーで締めてもくるくると空回りしてしまう場合は、新しく印刷してしっかり固定しましょう。パーツデータは「Program Files(x86)>UP>Example>UP Plus Spare Parts」のフォルダ内にパーツデータがあります。※このパーツはバージョンアップしているので最新版は画像と違います




使ってみての感想、故障など

afiniaH479は2台使用しています、一つは2013年末に新品購入、一つは2016年中古購入
UP PLUS2は1台使用、2016年中古購入
どれも故障らしい故障はなく使えています。ただ、やはり常にモーターが動き振動するので、
ケーブルの断線が多いように思います。
・エクストルーダーを繋ぐフラットケーブルの内部断線
・ノズルヒーターサーミスタの断線
・ヒートベッドのヒーターの断線 (現在は改良されています)
上記の断線がそろぞれ1回起こっています。
他の方のレビューでもエンドストップスイッチの断線があったようです。
機械的にはとても単純で、プレスした鉄板にリニアガイドとモーターがついているだけで
特に調整の必要はなく、よい印刷ができます。
故障してもパーツを購入できるので、長く使うことができるプリンターです。
・良い点
良い点と言えるのでしょうか、この機種には保温カバーがついていません、カバーがないおかげで
改造しやすく、印刷品質を上げることができました。改造をするつもりでプリンターを選ぶなら
カバーのない機種をお勧めします。
ベッド上の穴あきプレート、これはお気に入りです。この機種のユーザーでこのプレートを使わない人が
いるようですが、テープやノリのように貼りなおしの手間がないので自分はずっとこれです。
・悪い点
悪い点は印刷範囲の小ささ、これに尽きます。カタログ表記ではxy140mmと小さいのですが、
実際はベッド上のプレートの固定ネジやクリップが邪魔をするので130mmぐらいかと思います。
大きな物を印刷したい方は大型の新機種がとても安くラインナップされているので、Upやafiniaシリーズは
買わないほうがいいでしょう。
いまさらこの機種、このシリーズをお勧めはしませんが、UP2やH480は見た目のかっこ悪さで人気がなく
中古がかなり安いので中古は狙い目だと思います。ヤフオク3万ぐらいです。


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